ビルマ語(ミャンマー語)の標準をUnicodeへ統一
コンピューターで使用するビルマ語についてのニュースが報道された。
http://www.7daydaily.com/story/55608
1月12日、ミャンマーコンピューターアソシエーションとミャンマー語委員会?(ミャンマーサー・アプエ)と技術者たちとの会合で、各省庁で使用するコンピューターや携帯でのビルマ語文字をUnicodeに統一することを決定。これから半年をテスト期間とし、1年間で統一を完了するという内容だ。
これはミャンマー人全てに影響する大きなニュースだが、なぜか反応が非常に少ない。Facebookでもほんの一部を除いて無関心。英語や日本語のメディアもほとんど無視だ。
Unicode(ユニコード)というのは一般の人たちにとって、言葉を聞いたことはあるけど馴染みが薄いかもしれない。現在、どんなコンピューターやスマホでも問題なく世界中の文字が表示できる。これはUnicodeという世界標準の文字言語システムがあるからだ。
日本語も中国語もヒンディー語もタイ語も全てUnicodeで規格が決められている。もちろんその中にビルマ語も含まれている。最近の WIndows, Mac, iOS, Android 全てに最初からUnicodeのビルマ語フォントが入っているので、ビルマ語も表示できる。はずだった。
しかし、ミャンマー国内ではなぜかUnicode規格から外れた Zawgyi-One というフォントを多くのミャンマー人が使っている。Facebookを見てもわかるように、ビルマ語の文章はほとんどZawgyi-Oneで書かれている。ミャンマー人同士だとほとんどがZawgyi-Oneを使っているので問題ないが、Zawgyi-Oneをインストールしていないスマホだと文字化けしてしまう。UnicodeとZawgyi-Oneには互換性がないからだ。
本来は国が強制的にUnicodeを使うようにさせなければいけなかったが、今までミャンマー政府はその努力をしてこなかった。民間の人たちも一部のIT技術者を除きほとんど問題視してこなかった。そのため、Zawgyi-Oneによる弊害が非常に多くなってきた。それが今回やっと国が動き出したというわけだ。報道では、政府の省庁で使うシステムしか言及していないが、民間は今まで通りZawgyi-Oneというわけにはいかないだろう。普通のミャンマー人が使っている全てのパソコンやスマホも対象になるはずだ。
今まで、モバイルショップではサービスということでほとんどのスマホにZawgyi-Oneをインストールしていた。これをまた元のUnicodeのビルマ語フォントをインストールしなおさないといけない。スマホにフォントをインストールするには、ルート化というちょっと特殊な操作をしないといけないので、一般ユーザーには難しい。またショップに持って行ってやってもらわないといけない。
それに、一斉に切り替えないと文字化け騒動も起きてくるだろう。また、これまでZawgyi-Oneで書いてきたビルマ語がそのままでは読めなくなる。その他もろもろいろんな問題がたくさんあり、非常に大変そうだ。でも、早いうちにUnicodeに切り替えないと、もっとひどい事態に陥るだろう。
コメント
初めまして。初めてコメントをさせていただきます。
日本では、ミャンマーの情報はなかなか手に入らないのですが、2017年現在におけるunicode普及率、あるいはZawgyiの使用率の低下具合に関しては、どのように感じられますか?
ITとは関係のないミャンマーに住む一般の人たちはほぼ100%Zawgyiですね。スマホやパソコンを買うとショップで勝手にZawgyiを入れるのは相変わらずです。
最近問題なのが、多くのミャンマー人が使っているFacebookです。Facebookがメニューなどミャンマー語化したミャンマー語版Facebook(アプリ版とWeb版)を出したんですが、それがZawgyiフォントを採用しました。他にも最近出てきているミャンマー語対応のスマホアプリも多くはZawgyiを使ってます。
民間ではこうい状況ですが、政府関係の省庁内部ではUnicode化が進んでいるようです
民間でのZawgyi問題を危惧しているのは今でも一部のIT関係者だけです。政府もメディアもほとんど動いてないように見えます。このZawgyiの問題、以前より悪化しているような気がします。