ミャンマー国立交響楽団のコンサートに行ってきた。山下洋輔も熱演
昨日1月22日、国立劇場で行われたミャンマー国立交響楽団のコンサートに行ってきた。
ここ国立劇場は我が家から徒歩5分くらいなので、時々見に行く。1階席と2階席があるが、いつもは1階席だけでそれも満員ということはほとんどなかった。しかし、今回は1階も2階も超満員だった。それに欧米人が多い。いつもの国立劇場とは雰囲気がちょっと違った。
山本祐ノ介さん指揮のもと、楽団がクラシック音楽を奏でていた。お世辞でも上手くはない、音が外れたり、リズムがずれていたりしている。それでも、一所懸命に演奏しているのがわかる。
何曲か楽団単独での演奏の後、ピアニストの小山京子さんが登場し、ピアノ協奏曲を演奏。さすが日本のプロ、素晴らしい演奏だ。ゴッドファーザーやパイレーツオブカリビアンなどポピュラーな曲を演奏すると、観客も大喜びで大きな拍手だ。
そして、山下洋輔が登場。小山さんと二人でのピアノ連弾とオーケストラの競演となった。小山さん、ジャズのフレーズもなんなく演奏していた。
次いで、伝統音楽であるサインワイン(パッワイン)奏者が登場。サインワイン、オーケストラ、ピアノでミャンマーの古い曲を演奏すると自然に手拍子が起こり、多いに盛り上がる。おお、山下洋輔がビルマメロディーを弾いている! 最後はピアノとサインワインの掛け合いだ。ピアノの音がだんだんとフリージャズっぽくなった。サインワインも負けじと早弾き(早叩き)をする。観客からは歓声が。曲が終わるとウォーという拍手と歓声。多くの人が立ち上がって喜びを表現していた。
次は山下洋輔のピアノソロ。曲はご存知「枯葉」。まだざわめきが収まらない中、彼の演奏もだんだんの熱がこもってきた。メロディアスな曲が洋輔調の力強くて自由な演奏になった。ヤンゴンでは滅多に聞けない一流ジャズの音にみんな引き込まれていった。
最後はオーケストラによるダジャン(水かけ祭り)の有名な曲、ミャナンダー。演奏者も観客もすっかり和やかな雰囲気だ。万雷の拍手とはでコンサートが終わった。みんなにこにこと満足げな表情で会場を後にしていた。思っていたよりも、ずっと楽しいコンサートだった。
ところで、今回の指揮者の山本祐ノ介さんは実はあの山本直純氏の次男だ。私の年代だと、「オーケストラがやってきた」のクラシック音楽番組や「大きいことはいいことだ」のコマーシャルで有名な指揮者だ。山本祐ノ介さんは2013年に初めてミャンマーにやってきてミャンマー交響楽団と関わることになった。手弁当で楽団員に教えたという。2014年12月に初めてヤンゴンでコンサートを開き、今回は2回目だ。私は今回が初めてだったが、前回と比べると今回は随分と上達したそうだ。
日本でクラシック音楽の普及に尽力した山本直純氏、その息子さんが今度はミャンマーのクラシック音楽に尽力している。今はミャンマーでのクラシック音楽の黎明期。日本も昔はこうだったのだろう。また1年後のコンサートを聴きに来よう。
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