ミャンマー語(ビルマ語)対応の自動翻訳アプリ VoiceTra がすごい
しばらく前から使っているアプリに VoiceTra というのがある。スマホに向かって日本語で話すとスマホが通訳としてミャンマー語を喋ってくるれる。今まで自動翻訳アプリはいろいろ出てきたが、ミャンマー語は多くの場合のけ者にされてきた。それを考えると画期的なアプリだ!
VoiceTra が対応している言語はもちろんミャンマー語だけではない。英語や中国語などメジャーな言語、それ以外にもインドネシア語やベトナム語などかなり多くの言語に対応している。開発元は情報通信研究機構(NICT)という国の研究機関だ。VoiceTraには無料で、iPhone用とAndroid用がある。
このアプリでは、音声認識をしてくれるので、スマホに向かってしゃべるだけでいい。翻訳結果は自動音声合成によりスマホが喋ってくれる。ただし、全ての対応言語で音声認識と音声合成が使えるわけではない。対応しているのは一部の言語だけだ。素晴らしいことにミャンマー語がその対応言語のひとつに含まれている。
音声以外に文字でも入力できる。翻訳結果も音声以外に各言語の文字で表示してくれる。もちろんミャンマー語もちゃんと表示してくれる。そして素晴らしいのが、翻訳結果をまた元の言語に翻訳してくれるのだ。喋ったフレーズと再翻訳してくれた文章が一致すると、翻訳結果自体が正しいということが分かる。
ちょっと試験をしてみた。まずはごく簡単なフレーズから。
おおお、ちゃんと翻訳されている。ミャンマー語の発音もまあまあだ(私よりずっとうまいかも)。次に、よく使いそうなフレーズをいくつか言ってみた。
おおおおおお、ほぼ完璧だ。これほどの精度があるとは思ってなかった。ただ、ミャンマー語の発音は微妙。音を区切るところが変だったりする。でも、相手にミャンマー語を見せればだいじょうぶだ。
何度かやってみてみてわかったのは、日本語の音声認識はかなり高いということだ。逆に、ミャンマー語の音声認識はいまひとつ。ミャンマー人には文字入力をしてもらうのがいいかもしれない。
このアプリには、「誤り報告」という機能がある。今はちょっと不具合があっても、みんなで報告するとだんだんと翻訳能力が上達していくのだろう。
ひとつ注意することがある。多くのミャンマー人がスマホに入れているZawgyi-Oneというミャンマー語フォント。このフォントが入っているスマホだとミャンマー文字が文字化けするのだ。
以前とは違い、最近のAndroidにはミャンマー語フォントが最初から標準で入っている。ところが、ミャンマーに住むほとんどのミャンマー人のスマホには、Zawgyi-Oneという世界標準から外れたミャンマー語フォントが入っている(モバイルショップがスマホ購入時に勝手に入れる場合が多い)。これが悪さをしている。Zawgyi-Oneを入れていないスマホだったら、iPhoneでもAndroidでもだいじょうぶだ。
それにしても、ミャンマー語の勉強を初めて20年も経つ私のミャンマー語能力は遅々として上達しない。このアプリの「誤り報告」のように、周りのミャンマー人に私の言い間違いをビシバシ訂正してくれるように頼んだら上達するだろうか。
追加1)Zawgyi-Oneを入れている友人のAndroidスマホでは、日本語からミャンマー語に翻訳したときにちゃんと表示されるという。何らかの条件の違いでZawgyi-Oneでもちゃんと表示される場合があるようだ。ただし、ミャンマー語入力のほうは友人のスマホでも文字化けする。(2016/7/30)
追加2)このアプリが素晴らしいといっても、仕事に使えるレベルではない。あくまでも、旅行等で使う日常会話程度だ。日常会話程度でも、自動翻訳でこのレベルのものが出てくるのは素晴らしいのには変わりない。現状、Google翻訳よりもだいぶいいようだ(Google翻訳も徐々にレベルが上がってきている)。ちょっと前まで、ミャンマー語の自動翻訳が出てくることなど、夢のまた夢だったのだから。(2016/7/30)
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