中国料理だけどハラル、マンダレーレストラン(Mandalay Restaurant)
今回のエンヤンミーティングはパンデー(Panthay / ပန်းသေး)と呼ばれる中国系ムスリムの店、マンダレーレストランだ。レストランへ向かう途中、タクシーの運転手にマンダレーレストラン知ってる? と聞いたところ、「知ってるよ。うまいからね」という返事、地元ではけっこう知られているようだ。
実はこの店に来るのは2回目、顔を覚えていてくれた女性オーナーに早速話を聞くことにした。
マンダレーにもこの店と同じマンダレーレストランという名前のレストランがあるという。お兄さんが1985年ごろに始めた店だ。最初はお兄さんの店を手伝っていたが、1990年にここヤンゴンで自分の店を開いた。ということは、もう30年近くになる。パンデーの店ということでムスリムの客が多いが、仏教徒ミャンマー人の割合もかなりある。最近は外国人も増え、日本人や韓国人も時々来るという。
メニューは中国料理がメインだが、タイ風の料理もある。ハラルなので豚肉はなし。もちろん、アルコールも置いていない。メニューはミャンマー語と英語が併記されていて、全ての料理に写真が載っている。料理の種類が多いので、今回はおまかせで人気料理を4品持ってきてもらうことにした。
揚げ魚の野菜あんかけ Vege Crispy Fish(ငါးကြွပ် သီးစုံ)8,000Ks(約580円)
けっこう大きな魚で、いい具合に揚がった癖のない白身に、あんがしみてうまい。身を取るのを苦労している我々を見て、店のお兄さんが身をきれいにカットしてくれた。
海老のタイカレー風味 Thai Curry Prawn(ပုင်ဇွန် ယေားဒယားမဆလာ)8,000Ks(約580円)
一見どういう料理かわからなかったが、ひと口食べて了解。タイの有名なカニ卵料理、プーパッポンカリーの海老版だ。中には大ぶりの海老がごろごろ入ってた。香辛料は控えめなのでマイルドだ。
ヤギ肉の細切り揚げ Hot Shredded Mutton(ဆိတ်မျှင် ခြောက်စပ်)8,000Ks(約580円)
英語ではマトンだが、ミャンマー語だとヤギ肉と書かれている。たぶん、ヤギ肉だろう。カリカリに揚げた細切り肉にちょっと甘いあんがかかっているので、ヤギ肉の臭みがない。ビールのおつまみにピッタリだが、ここはミネラルウォーターで我慢。
台湾ソースチキン Taiwan Sauce Chicken(ကြက် ထိုင်ဝမ်ဆော့)4,500Ks(約320円)
皮がたっぷり付いたチキンをカリカリに揚げ、甘い台湾ソースをかけている。私のような鶏皮ファンにとっては嬉しい一品だ。
タイスープ Thai Soup (ယိုးဒယားဟင်းရည်)4,000Ks(約290円)
ちゃんと4人分に分けて出してくれた。おお、トムヤムクンだ! と思って飲んだのだが、メニューではトムヤムではなくタイスープになっていた。メニューに載っているトムヤムはココナッツミルクや牛乳を入れるけど、このタイスープには入れないとのこと。どうりでさっぱりしていたわけだ。
ふわふわ卵の鶏汁ひたし( ကြက်စူဤ )サービス
メニューに載ってないけど、特別に作ってもらったパンデー料理。卵と小麦粉を混ぜたものをピンポン玉の大きさに揚げ、鶏汁にひたした料理。日本の揚げ出し豆腐に食感が似ている。さっぱりして素朴な風味だ。
腹一杯になり、コーヒーでも飲みながらミーティングを続けようという話になったが、メニューにはコーヒーは書いていない。ダメ元で聞いてみたら、作ってくれるという。さすがミャンマーだ。そして出てきたのは、甘くてミルクたっぷりの昔ながらのミャンマー式コーヒーだ。
ところで、ミャンマーでパンデーと呼ばれている人たちはシャン州に多く住む。彼らは元々は中国に住むイスラム教徒である回族で、商人として雲南地方からミャンマーに渡ってきたと言われている。中国では回族自身がかなり漢族に同化しているので、ミャンマーのパンデー人も見た目は普通の漢族の中国人と変わらない。
ということで、この店の料理も中国料理がメインだ。タイ料理も載っているのはパンデー人の移動ルートだからかもしれない。パンデー独特の料理というのはメニューには載ってないが、今回のように裏メニューとして作ってくれるという。
パンデー独特というと、この店ではナツメヤシの実を乾燥させたデーツを売っていた。500g入りの箱で7,500Ks(約540円)だった。ナツメヤシはアラブ地域が原産で、栄養価の高いこの実は「神様からの贈り物」と言われているそうだ。一箱買って食べてみた。初めて食べるのに懐かしい味。日本の干し柿に似ている。かなりうまくて、癖になりそうだ。
デーツ以外に見つけたのが、ポテトチップス。小ぶりの袋に入ったものが500Ks(約36円)だ。見た目はどこにでもあるポテトチップスだが、めちゃうまい。店で手作りした出来たてだからだろう。
コーヒーとデーツとポテトチップスでまったりしていると、いつの間にか閉店時間に近づき客は我々だけになった。今日はこの店で中国、タイ、ミャンマー、アラブの味に出会うことができた。パンデーの世界は奥が深そうだ。
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カテゴリー中国料理(ハラル)
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店名Myanmar Restaurant
マンダレーレストラン -
住所No. 54, Daw Thein Tin Street Mingalar Taung Nyunt Township, Yangon
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電話01-399125
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営業時間9:30 - 21:30
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休み水祭り(ティンジャン)の連休, イスラムの祝日
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