窓から眺めたヤンゴンの鳥たち
珍しく早起きして葉を磨いていると、窓の向こうの木に見慣れる鳥がつがいで止まっていた。見れば見る面白い鳥だ。スカしているけど憎めないヤツとでも言えばいいのか、表現するのが難しい。
そのうち、片割れがどこかに飛んでいったかと思うと、やがて何やら緑色のものをくわえてやってきた。よく見ると木の葉っぱの一部だ。どうも巣の材料にするらしい。彼らの写真を撮っていると、別の小さな鳥が飛んできた。スズメくらいの大きさだが、緑色で喉元が鮮やかな赤い色をしている。近くにはカラスも数羽とまっている。我が家の台所の外が賑やかになってきた。
それにしても、カラス以外の鳥の名前が分からない。まあ、カラスも何カラスなのか分からないのだが。こんなときはやはり大西さんだ(大西さんはミャンマーの動物について第一人者)。ちょうどヤンゴンにいたので、メールで他の鳥の姿も含めて写真を送った。
名前が分かった。歯を磨いているときに見つけたつがいはモリハッカ(Jungle Myna, Acridotheres fuscus)、その後に飛んできた胸元が赤い鳥はムネアカゴシキドリ(Crimson-breasted Barbet, Megalaima haemacephala) だった。他にも、窓際にしばらく止まっていたのがカバイロハッカ(Common Myna, Acridotheres tristis)、目の前を勢いよく飛んでいったのがシリアカヒヨドリ(Red-vented Bulbul, Pycnonotus cafer)だった。
この中でモリハッカはミャンマーの都市部では珍しいという。ところが、日本の一部の地域でモリハッカが増殖しているそうだ。こちらのページにある写真は横浜で撮られたモリハッカ。元々日本には生息していなかったので、ペットが逃げて今では自然増殖しているそうだ。
ところで、このページに載せている鳥の写真は全て家の窓を開けて撮ったものだ。私が住んでいるのはU Wisara Housing と呼ばれるローカルの古いアパートの4階。昔の公務員住宅なので敷地が広くて40棟ばかりある建物がゆったりと並んでいる。向かいのアパートまで50m近くあり、緑も豊かだ。
という環境なので、都心に近いけど他ではあまり見られない野鳥が多い。そういや、以前タイヨウチョウがすぐ目の前に巣を作ろうとしていた。これがそのときのブログ「タイヨウチョウ(太陽鳥)がやってきた」だ。
だが、野鳥よりもずっと多いのがカラスや鳩だ。ヤンゴンはこのカラスと鳩が異常に多い。窓の外を見るとそこら中を飛び、そこら中に止まっている。今も、すぐ近くでクルルーと鳩の声が聞こえている。
大西さんによると、ミャンマーでは鳩やカラスやスズメなどに餌を与える人が多いため、人に近いこれらの鳥が増えすぎて他の野鳥の数が減少しているという。人が多いヤンゴンでは特に顕著だ。
とはいえ、緑の多いここのアパートには野鳥たちも負けずに住み着いている。早朝は野鳥たちのさえずりがたくさん聞こえてくる。
ただ、朝の遅い私が早朝のさえずりを聞くのはたまにしかないのだが。
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