GRABタクシーに「キャンセル」をお願いされた

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ある日の夕方、アウンミンガラー長距離バスターミナルに向かうためGrabでタクシーを予約した。5分ほどでタクシーが到着して乗り込んで行き先を告げた。すると、

「Grabをキャンセルしてもらえますか?」

えーーー、乗車拒否?  それとも私の聞き間違い? ここは冷静に事情を聞くことにした。

「運転手さん、アウンミンガラーへは行きたくないの?」
「いや、アウンミンガラーへはちゃんと行くよ。ただ、Grabアプリをキャンセルしてほしいんだ」
「何で? わけが分からない」
「Grabだとコミッションを20%取られるんだ。運賃が8,000チャットだから1,600チャットも取られてしまう」
「えっ、Grabのコミッションは15%じゃなかった?」
「Uberがなくなったとたんコミッションが20%に上がったんだ」

以前のブログにも書いたが、運転手が運営会社に払うコミッションはGrabが15%、Uberが25%だったのだ。それが、Uberが撤退後すぐに20%にアップしたという。独占したとたんコミッションを上げるとは、商売といえなかなかえげつない。

料金はGrabで表示していた8,000チャット(約620円)そのままでいいというし、運転手への同情心もあって、私はスマホに表示しているGrabアプリで "Cancel Booking" を選んだ。

ヤンゴンの配車サービスはGrabとUberの戦いが去年2017年からしばらく続いていたが、今年3月にUberが撤退した。Uberが東南アジアでの配車サービス事業を全てGrabに売却したからだ。これでヤンゴンのタクシーはGrab一強となった。

「コミッションも20%に上がったし、最近のGrabは我々運転手にとって厳しいね」
「他の配車サービスは?」
「Oway もやっているけど、客が少ないんだ。そうそう、Billion っていうサービスが始まるよ」

ミャンマーローカルの配車サービスとして、Oway、Hello Cabs がすでにあり、Billion も新たに始まるようだ。ただ今のところ、Grab と比べると圧倒的に影が薄い。

今回のGrabの「キャンセル」は運転手による小さな抵抗だ。Grabのシステムを使って客をつかまえるがコミッションはGrabに渡さないなんて、なかなか面白いやり方、したたかだともいえる。長距離の客の場合、この方法をとっている運転手は他にもいるのだろう。

いつもは超渋滞するアウンミンガラーのバスターミナルだが、今日は比較的スムーズに進み予定より30分ほど早くバス会社の目の前に到着した。8,000チャットを渡すと運転手は嬉しそうだった。

窓から眺めたヤンゴンの鳥たち
サービスエリア「115マイル」の不思議
 

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2024年11月21日(木)

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