今年の大晦日は去年より静かだ。近くでやっていた年越し野外コンサートの会場が他の場所に移ったからだろう。静かになるといつもの物売りの声も聞こえてくる。ちょっと哀愁を帯びた男の声が響いてきた。
「クルフィ マラーーーイ、クルフィ マラーーーイ」
ミャンマーの国境というと、中国国境のムセ・瑞麗とタイ国境のミャワディ・メーソートに行ったことがあるが、両方とも人と車で大賑わいだった。しかし、ここリーコーダ・ゾーコーダの国境はずいぶんとひなびている。本当に国境貿易をしているのだろうか。
「何も見せなくても自由にインドに行けるよ」と、チャーターした車のドライバーKさんが盛んに力説する。インドのビザを持ってない私だったが、彼の言葉に心が惹かれた。ここリーコーダ(Rihkhawdar)・ゾーコーダ(Zokhawthar)の国境は2018年8月に外国人にもオープンになったばかりの国境で、インドビザさえあればインドに入国できる。