ヤンゴンのクリスマス合唱隊
アパートのドアの外から歌声が聞こえてきた。最初は小さく、しばらくすると少し大きくなってきた。生ギターに合唱、クリスマスソングだった。今年も彼らがやってきた。
日本では12月に入ると街にクリスマスソングがあふれるが、ここヤンゴンでは全然聞こえてこない。一部のショッピングセンターなどを除き、クリスマスの飾り付けもほとんど見ない。仏教徒が多い国なので、一般の仏教徒たちは「クリスマス?それがどうしたの?」といった雰囲気だ。
こうしたヤンゴンでクリスマスを知らせてくれるのが、クリスマス合唱隊だ。キリスト教徒の人たちがグループで家々をまわってクリスマスソングを歌って祝う。12月に入るとこうした姿を見かけるのがミャンマーのクリスマスだ。合唱隊はヤンゴンだけでなく、キリスト教徒がいる町だと一般的らしい。そういえば、東京にいるときにカチン料理の店でカチン人の合唱隊に出会ったことがあった。
その合唱隊がついに我が家がある4階まで上がってきた。閉じたままのドアの前で歌い始めたので、ドアをそっと開けた。総勢5人の合唱隊、長時間の演奏のせいかギターの調弦がずれはじめていたが、そんなことはどうでもいい。生の音楽を目の前で聞けるのは楽しい。レコーダーを用意していた私は、特別にもう1曲歌ってもらった。うーん、これこそミャンマーのクリスマス。ちょっと幸せな気分になった。最後に拍手と共に、ご祝儀を渡した。カレン人だという彼らは元気に次の家へ向かった。
クリスマス合唱隊の歌声をどうぞ。
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