ここはニューヨーク? ワのレストラン&バー、ルーツ(ROOT)
以前ミャンマーにも住んでいた若手ミャンマー研究者Iさんがひさしぶりにミャンマーにやってきたので、友人たちと「雑談する会」を開いた。場所はつい最近ダウンタウンにオープンしたワのレストラン&バー、ROOTだ。ワというと、何といっても高野さんの傑作「アヘン王国潜入記」。この本でワを知った私は今回の店ROOTに興味津々だった。
マハーバンドゥーラ通りとボウミャットゥン通りの交差点近くにあった。何これ? 阿片窟を想像していたわけではないが、予想とは全然違った。 まるでニューヨークの洒落たバーだ(ニューヨークに行ったことないけど)。大きすぎず小さすぎない店内を控えめな照明が照らしている。中央にはカウンターバー。高そうな酒が並んでいる。その奥には長テーブルがいくつか並んでいる。入り口近くにあったテーブルは大きなチーク材を輪切りしたもの。それを丁寧にニス塗りしている。
壁には鹿の角を使った照明、天井には木の根のオブジェ。これが店の名前のROOTを象徴している。どこからかエレクトロっぽい音楽が流れている。見ると、ヤマハのPA用スピーカーだ。スピーカーの後ろの壁には吸音材が貼れていた。うーん、センスといいこだわりといい、すごい。でも、どうしても私の頭の中にあるワのイメージとこの店のイメージが合わない。オーナーに話を聞こうと思ったが、あいにくイギリスに旅行中だった。
きびきびと働いているスタッフに料理を注文することにした。我々の中にワ料理を食べたことのある人はいなかったので、
「ワ料理を食べたことないので、おいしい料理をお願い」
「みんなおいしいです」
ミャンマーのレストランでいつも聞く返事だった。質問が悪かった。
「人気料理を6品ほどお願い」
「まかせて!」
ということで、おまかせで人気料理と食べることにした。干し鹿肉、燒き豚、フライドチキン、魚の丸焼き、ポテトフライ、他になんたらかんたら。ワ料理は辛いという話は聞いていたので、唐辛子は控えめにしてもらった。それでも、かなりスパイシーで、唐辛子以外の香辛料もかなり使われていた。私のお気に入りは鹿肉。生干し鹿肉を香菜と各種スパイスで和えたもの。鹿肉はナガでよく食べたものとよく似て、上品なうまみが詰まっていた。
ワの酒もいろいろ揃えていた。サービスで一杯をいただいた。うまい! 原料のうまみをうまく引き出している。醸造酒と蒸留酒が合わさったような酒だった。スタッフにこの酒の原料を聞いたが、小さな穀物だとしかわからなかった。稗とか粟の類だろうか。他のワ酒を飲みたかったが、最近アルコールを控えている私は一杯だけで我慢した。後はビールだ。
友人たちとの楽しい会話でついついビールを4杯も飲んでしまった。酔いもちょっと回ってきた。そろそろお開きの時間だ。会計を頼むと全部で84,000チャット。一人あたり12,000チャット(約980円)だ。ニューヨークにしては安かった。
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カテゴリーワ料理
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店名ROOT Kitchen & Bar
ルーツ -
住所Bo Myat Htun Road, corner of Maha Bandula Road, Botahtaung Township, Yangon
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電話09-456 696 695
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営業時間11:00 - 23:00
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コメント
毎度、本題から外れた話で恐縮です。鹿の角が気になってしまいました。まず、ミャンマーに生息するシカ類には思い当たらない形です。獣医の友人にもメールして検討したところ、二人の暫定意見は、地球上に現存しない鹿、人工物ではなかろうかというところに落ち着きました(まだ化石動物は調べてませんが)。種類によってはワシントン条約で規制されているので、無難なチョイスの装飾だと思います。このあたりもワシントン…ではなくて隣のニューヨークスタンダードか。
インテリア用の作り物?
はたまた未発見の新種?
オリジナルサイズの写真を送ります。