ポケモンGOとスーチーと経済制裁解除
今日、ひさしぶりにスマホで Google の Play Store を開いた。そして、「ぽけもん」と入力すると検索ワードの候補に「ポケモンgo」が出てきた。この単語で検索するのはこれで何回目だろうかと思いながら、「ポケモンgo」を選択した。すると・・・
出てきたーーー。本家のポケモンGOが検索1位に出てきた。ということは、もしかして制限解除? 次に有料アプリの「ATOK」を検索。おおお、1,543円という価格とともにATOKが出てきた。
ミャンマー以外の国に住んでいる人には、私が何でこんなことで興奮しているか理解できないだろう。それには理由がある。ミャンマーではAndroidスマホのアプリのダウンロードに制限があったからだ。Play Store を使った場合、完全無料のアプリはダウンロード可能だったが、有料アプリはミャンマーではダウンロードできなかった。 ポケモンGOのように、無料アプリでもアプリ内課金があるものは有料アプリとみなされ、ダウンロード不可だった。検索してもそれらのアプリは表示されなかったのだ。
Androidアプリだけではない。GoogleのサービスでGoogle AdWordsなどの支払いの発生する有料サービスはミャンマーからはアクセスできないようになっていた。理由は、アメリカによる経済制裁だ。
アメリカの経済制裁によりミャンマーに海外の銀行からドル送金ができなかったというのは有名だが、ポケモンGOのようにIT関係の意外なところにも影響していたのだ。私がミャンマーに移住してきた2012年ころはもっとひどかった。そもそも、Google Play にログインすらできなかった。しかたがないので、1 Mobile Market などの中国企業がやっている怪しいAndroidマーケットを利用したり、アプリのAPKファイルをどこからか探したりしていた。しかし、これらの方法はセキュリティー的には非常に危ない。
一番ひどい目にあったのはPaypalだ。2012年にヤンゴンからPaypalにアクセスしたとたん、アカウントが凍結されてしまった。今ではミャンマーからPaypalにアクセス可能になったが、私のアカウントは凍結されたままだ。
意外だったのがAppleだ。2012年当時から自由にiTune Storeにアクセスできたし、アプリも購入できた。Googleの場合は、どこからアクセスしているかチェックしているが、Appleの場合はアクセス場所を無視しているようだ。
これらミャンマー特有の制限を迂回する方法がないことはない。たとえば、VPN接続という方法を使えば日本からアクセスしているように偽装することができる。中国居住の外国人がよく使っている方法だ。実際、私も有料のVPNサービスを使っている。
とまあ、スマホひとつ使うにもミャンマーならではの苦労がいろいろあったが、最近はそれに慣れてしまっていた。ところが、先月大きな出来事があった。スーチー氏がアメリカでオバマ大統領と会談し、経済制裁が解除されたのだ。解除が発表されても、実際の解除までしばらくは時間がかかると思っていたが、Googleの制限解除は意外に早かった。
経済制裁のせいでITでも今まで世界から無視されていたミャンマー、これを機に今までの遅れを少しでも挽回してほしい。
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