ミャンマー米は世界一おいしい? 〜驚きのポーサンムエ新米
前回のブログで、湯取り方で炊けばサラサラ極上のご飯になるということが分かったポーサンムエだが、あるブログを見つけた。
ミャンマー米、美味しいのもありますよ
ヤンゴンに20年ほど住んでいたNさんのブログだ。このブログにも湯取り法で炊かれたポーサンムエが美味しいとかかれているが、最後の一文が目に止まった。
「特に新米は水分がたっぷりで日本人の口にも合います」
こりゃすぐにでも新米を買いに行かなければ。
徒歩2分のところにあるすぐ近くの小さな市場に行った。朝は賑わっているこの市場だが、午後3時で客も少なく閉じている店も多い。小さな米屋で聞いてみた。
「ポーサンムエの新米ある?」
「あるけど、こっちのほうがずっと美味しいよ 」
と店のおばちゃんに勧められたのは古米のポーサンムエだ。値段も違う。古米は1ピー(2Kg強)で2,200Ks(約189円)だが新米は1,800Ks(約150円)だ。新米が古米より安いとは日本と逆だ。
おばちゃんに言わせると、新米は「イーデ」だそうだ。イーデとは、腹にもたれるとか、しつこいとか、脂っこいという意味だ。ミャンマー人が日本米やシャン米が好きじゃない理由としてよく聞く言葉だ。サラサラのポーサンムエが何でイーデなんだ? と、不思議に思いながらも、おばちゃんの勧めに逆らって1ピー買ってみることにした。
おばちゃんは古びたコンデンスミルクの缶で米袋から8杯分をすくって、1ピーだと言って渡してくれた。ピーはミャンマーの容積の単位で、コンデンスミルク缶8杯が1ピーだ。米だと2Kgちょっとになる。
徒歩2分で家に帰って早速湯取り法で新米のポーサンムエを炊くことにした。ワクワクしながら茹で上がるのを待った。10分過ぎ、異常に気がついた。米が膨らんでドロドロ状態になってきたのだ。慌ててザルにあげたが水分はあまり落ちてこないし、落ちてきた重湯がトロトロというよりもドロドロなのだ。
結局できたのはサラサラではなく異常に粘り気が強いベチャベチャのご飯だった。捨てるのはもったいなので、ベチャベチャご飯をがまんして食べた。同じポーサンムエなのになぜこんなに違うのか。不思議だ。ということで、次は湯取り法ではなく電気炊飯器で炊くことにした。
ポーサンムエを炊飯器で炊くときは水が25パーセント増しがちょうどいいが、今回は新米だということで20パーセント増し程度にした。ついに新米のポーサンムエが炊き上がった。炊飯器のフタを開けると米ツブが輝いていた。そのまま箸ですくって口に入れた。
おおお、何だこのモチモチ感は。こりゃ日本米だ!
いや、日本の米よりももっと粘っこく、モッチモチだ。もち米を混ぜて炊いたような感じだ。そして、新米の香りが漂い、噛むとほんのりと甘い。日本の新米以上のおいしさかもしれない。ポーサンムエとは何者なんだ?
ポーサンムエはミャンマーでは一番人気の銘柄だ。日本ならさしずめコシヒカリだ。また、産地によって名前がつけれれていて、シュエボー産が特に有名だ。シュエボーポーサンムエはミャンマーの魚沼産コシヒカリだ。私が買っているのもシュエボーポーサンムエだが、他の産地のほうが美味いと言う人もいる。
ポーサンムエの新米が出回り始めるのは普通10月の終わりくらいからだ。12月くらいまではこのモッチモチのポーサンムエを味わうことができる。しかし、だんだんと粘り気が少なくなってくる。初めてポーサンムエの新米に出会ったのが12月、本当にモッチモチの米だったが、今は2月、普通の日本米のモチモチに程度になってきた。次の新米が出回る11月にはサラサラの米に変わっているのだろうか。
ところで、ミャンマーのレストランで食事をしたり一般家庭でご馳走になっても、このサラサラご飯やモッチモチご飯に出会えるチャンスは残念ながらほとんどない。ヤンゴンあたりでは、大部分の家庭やレストランでは電気炊飯器でご飯を炊いているし、ポーサンムエの新米を好んで食べる人も少ないからだ。
ということで、ミャンマーに住んでいる方はぜひ自分でポーサンムエを炊いてみてほしい。スーパーには新米は置いてないので、新米を買うなら米屋だ。また、古米のポーサンムエを炊くときは絶対に湯取り法だ。そして、古米でも新米でもその店で売っているポーサンムエの最高グレードを買うように。
「米はやっぱり日本米だね」と言っている人(←以前の私)、認識が変わります。
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