インフルエンザで病院に行ってきた
先週末タイ国境の町ミャワディに行き、ヤンゴンに戻ったのは日曜日の夜、翌月曜日の昼からどうも調子が悪い。体がほてり、喉が痛くなってきた。そうだ、「風邪にはディコジン」ということで、ディコジンを飲んだが効かない。結局寝込んでしまった。
ディコジンが効かないということは、インフルエンザか。インフルエンザなら3日もおとなしく寝ていたら治るだろうと思っていたが、なかなか熱が引かない。ついに5日目になった。ちょっと心配になり、やっと病院に行く気になった。
向かったのは、すぐ近くにある国立病院 [注1] ではなく、タクシーで15分ほどのところのある、Asia Royal Hospital という民間病院だ。以前、ミャンマー人の友人が入院した時に訪れたこともある。日本の普通の病院と比べて設備的にはそれほど遜色がないように見える。
まず、受付らしきところで聞くと、「普通の医師」にするか「スペシャリストの医師」にするかを尋ねられた。今回は普通のインフルエンザだと思ったので、迷わず普通の医師にした。
ミャンマーの大きな病院だと、スペシャリストと呼ばれる医師たちがいる。各診療分野でスペシャリストと認められた医師が日替わりでいろいろな病院を巡回しながら患者を診るのだ。したがって、同じ病院で同じスペシャリスト医師に会えるのは週に1度か2度だ。それも同じ病院にいるのは3時間程度が多いので、人気のスペシャリスト医師だといつも予約でいっぱいだ。
普通の医師というのは多くは若手医師で、通常は一箇所の病院に勤務している。診断料はもちろんスペシャリストが高いし、予約待ちになるので時間もかかる。今回は単なるインフルエンザ(と思っている)なので、普通の医師にした。
ドアが大きく開いたままの診療室で早速問診を受けた。30代中頃の愛嬌のある女医さんだ。
「日曜日にミャワディからバスで戻って、、、、頭が痛くて、、、食欲なくて、、、熱があって、、、」
と、一通り説明。なぜか他の若い医師たちも2、3人集まってきた。ミャンマー語を話す外国人患者が珍しいようだ。せっかくだから気の利いたことを口にしようと思ったが、熱で頭が回らない。でも、自然に笑いが起きた。私の変なミャンマー語で笑いが取れてしまったようだ。
いや、こんなところで日緬友好をはかっている場合ではない。私は患者なのだ。血圧と血糖値をはかった後は、隣りの診療台に移って触診と聴診器。特に問題はないようだ。念のために肺のレントゲン写真を撮ったが、これも問題なし。結局、私が思っていたようにインフルエンザの治りがちょっと遅いだけだったようだ。
最後は薬の受取りと会計だ。薬は4種類の薬が3日分。会計は約70,000チャット(約6,000円)。[注2]
えっ、7,000じゃなくて70,000 !! 一気に頭がシャキッとした。今までの自分の経験で、せいぜい20,000チャットくらいだろうと思っていた。そういや、ミャンマーでこんなちゃんとした民間病院で診察を受けたのは初めてだった。今やヤンゴンのしゃれたカフェでコーヒーを飲むと東京並み、医療も同じだと思えば納得がいく。会計が終わると財布がすっかり軽くなった。病院の入り口にはATMが2台設置されていた。
[注1] 国立病院では治療費は基本的に無料だ。実際にかかった薬代や注射器代などの実費を払うだけでいい。外国人も同じだ(2014年の体験)。しかし、ここ数年の民主化と経済発展で設備の整った民間病院が増え、ある程度余裕のある人たちは国立病院を避けてこうした民間病院に行くようになった。国立病院の評判が悪いからだ。
[注2]この70,000チャットの中には、外国人料金という項目で10,000チャット弱が含まれていた。したがって、ミャンマー人なら60,000チャットだ。
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