通話でもインターネットでもMPTに押され気味だったノルウェー資本のTelenor(テレノール)が12月19日から新サービスを始めた。何と、通話が1チャット/分、インターネットが1チャット/MBになったのだ。1分話してもインターネットで1MB使っても1チャット(0.1円)という、メチャ安料金だ。といっても、データ通信も通話も夜11時から朝の7時までの間で、特に通話はTelenor同士限定だ。
サービスの名前は英語では Super Owl ミャンマー語では、スーパージークエだ。ジークエはミャンマーでは幸福の鳥とされているフクロウのことだ。このスーパージークエは2種類ある。2,500チャットで1ヶ月有効、800チャットは1週間有効だ。登録方法は下記のとおり。
名称 | 料金 | 有効期間 | 電話による登録 | SMSによる登録 |
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Voice and Data Night Pack Monthly |
2,500チャット | 1ヶ月 | *802# | “500"にメッセージ“T2500" |
Voice and Data Night Pack Weekly |
800チャット | 1週間 | *803# | “500”にメッセージ“T800” |
早速試してみた。Telenor のSIMには1300チャットしか入ってなかったので、10,000チャットのプリペイドカードを買ってトップアップした。この時点で、私のTelenorのアカウントにトータル11,300チャット分が入っている。次に *802# に電話した。すると、11,300チャットが8,800チャットに減った。差額の2,500チャットがスーパージークエに充当されたようだ。本当にスッパージークエに入ったかどうか確認するため、 *124*1# に電話してみた。すると、2,500チャットと表示された。間違いなく、スーパージークエ用のサブアカウントに充当された。これでインターネットだと2.5GB分使えることになるが、これだけでは心もとないので、もう一度 *802# に電話して全部で5,000チャット分のスーパージークエにした。
この作業をやったのが夕方だった。わくわくしながら夜11時を待った。11時1分、テレノールの番号に電話してみた。電話を切るとすぐに通話料金が表示される。ん? 0 Kyat? おかしい。なぜか ゼロチャットになっている。もう一度電話してみる。やはり 0 Kyat だ。残高を見ても5,000チャットのままで、1チャットも引かれてない。もしやと思い、今度は1分半くらい通話した。さっきの2度の通話は両方共20~30秒だったのだ。おおお、今度は通話料金が 1Kyat と表示された。なんと、1分以内は無料電話だったのだ。ただ、これはシステムのエラーかもしれない。もしエラーなら、1分未満が1チャットになるだろう。
次はネットに繋いでみた。スピードはいまいちだった。アプリで測定すると、1Mbps 程度。11時はまだ宵の口だからかもしれない。再度測定したのが3時ごろ、今度は4Mbps 程度になった。ミャンマーでこれくらい出ればだいじょうぶだろう。早速、スマホのAndroid OSのアップデートをしてみた。615.5MBのファイルをダウンロードしたのだが、これにかかった時間が4分半と速かった。計算すると18Mbps だ。これは速い。テレノールのサイトに書かれているFAQを読むと、スピードは2Mbpsになっている。公称値よりも実測値のほうが圧倒的に速い。スーパージークエが予想以上に使えることがわかった。
「ミャンマーの携帯電話事情3」ではデータ通信はMPTがおすすめだと書いたのだが、12月は状況がちょっと違っていた。12月限定でOredooがSpecial Top-Up Bonusというキャンペーンをやっているのだ。2万チャットをトップアップすると2万チャットのボーナス、1万チャットをトップアップすれば5,000チャットのボーナスが付く。インターネットパックも利用すると、データ通信が2.5チャット/MB程度になるのだ。
私の場合、データ通信だけで月に10~15万チャット(9200円~14000円)程度使っていた。ミャンマーは日本と違って、インターネット回線としてまともな光やADSLなどがないので、インターネットというとどうしても携帯を使ったデータ通信となる。ということで、ミャンマーではインターネットの料金が日本よりずっと高かった。これからは、深夜はTelenor、それ以外はOoredooを利用すると今までの半額以下になる。ただ、今までも深夜族だった私が本当にスーパージークエ(フクロウ)になってしまう。
(写真・文:後藤 修身)