2012年にヤンゴンに住み始めてからずっと、インターネット接続は携帯のデータ通信を使っている。ヤンゴンでも光やADSLやWiMaxなど他のデータ通信サービスがある。でも、スピード、料金、利便性を考えると、私の場合は携帯が一番だ。4年前のヤンゴンの携帯のネット環境というと、2Gの超スローだったが、今は4G(LTE)も出てきてけっこう速くなった。それにつれて、使用するデータ通信量も飛躍的に増加してきた。
ミャンマーの携帯によるのデータ通信の料金は、使った量だけ料金が増える従量制だ。私の場合はパソコンも常時インターネットにつなげているので、モバイルルーターに携帯のSIMを入れてWiFiで接続している。仕事上インターネットを使うことが多く、かなりのデーター量になる。
そこで、携帯によるデータ通信(インターネット通信)の料金をまとめてみた。
インターネット基本料金
インターネットパッケージなどを使わないデータ通信の基本料金。ミャンマーで何も意識せずに携帯のインターネットを使うとこの料金になる。Ooredooが時間帯によって若干高いが、ヤンゴンで4Gのサービスをやっているのは現時点ではOoredooだけだ。
会社名 | サービス名 | 料金 | 備考 |
---|---|---|---|
MPT | Swe Tahar | 6Ks/MB | 時間単位で料金を払うBasic Tariff があるが、実用的なスピードではない |
Telenor | Smart Internet | 6Ks/MB | 若干安いMy Internetがあるが、スピードが500Kbpsと遅いのであまり実用的ではない |
Ooredoo | Pay as you Go Internet | 6Ks/MB 8Ks/MB |
4Gのサービスエリアはヤンゴン、ネピドー、マンダレーの一部地域のみ(2016年8月時点) |
インターネットパッケージ
各社インターネットパッケージと称して、割引パッケージを用意している。パッケージを購入(有効化)すると、SIMカードに登録されている料金からパッケージの料金が自動的に引かれる。多くのパッケージは1ヶ月単位なので、購入後一ヶ月以内に使い切ったら再度パッケージを購入すればいい。購入したパッケージが1ヶ月以上経っても残っている場合は、切り捨てられてしまう。
以前と比較すると半額程度になっている。ダブルボーナスと称して、使えるデータ量が倍になるプロモーションを各社が時々やっていたが、今ではダブルボーナスがプロモーションではなくて常時ダブルになっている。最近までインターネット料金引き下げに消極的だったTelenorもダブルボーナスになり、プロモーションで割引もやっている。そのため、現時点ではTelenorの10GBがMBあたりの料金で一番安い。
普通のインターネットパッケージ以外に、深夜限定のパッケージをMPTが提供している。深夜だけ特別割引にしたもので、料金が非常に安くなる。今年2月から始まったプロモーションだが、かなり長い間やっている。これもプロモーションではなく一般化してくれたら嬉しいのだが。
パッケージの購入(有効化)の方法としては、主に3種類ある。何度も購入したり、モバイルルーターを使う場合はスマホアプリが便利だ。
1.SMSメッセージ:所定の番号に所定のテキストを送る。
2. 電話をかける:所定の番号を入力して電話する。
3. スマホアプリを利用する。
なお、各社のWEBサイトでの料金表示を見ると、TelenorとOoredooは商業税(5%)込みの料金で、MPTは商業税抜きの表示をしている。このページでは3社の条件を合わせるため、MPTの料金は5%の商業税をプラスした表示にしている。
料金 | データ量 | MB | 有効 | 有効化 |
---|---|---|---|---|
420Ks | 120MB | 3.5 |
1日 | Send SMS <120MB to <1332> または、Dial <*2001#> |
2,940Ks | 800MB | 3.68 |
30日 | Send SMS <400MB> to <1332> または、Dial <*2002#> |
6,825Ks | 2GB | 3.33 |
30日 | Send SMS <1GB> to <1332> または、Dial <*2003#> |
12,600Ks | 4GB | 3.08 |
30日 | Send SMS <2GB> to <1332> または、Dial <*2004#> |
26,250Ks | 10GB | 2.56 |
30日 | Send SMS <5GB> to <1332> または、Dial <*2005#> |
料金 | データ量 | MB | 有効 | 有効化 |
---|---|---|---|---|
315Ks | 250MB | 1.2 |
1日 | Dial <*237*1#> |
1,050Ks | 1GB | 1.03 |
7日 | Dial <*237*2#> |
3,360Ks | 4GB | 0.78 |
30日 | Dial <*237*3#> |
料金 | データ量 | MB | 有効 | 有効化 |
---|---|---|---|---|
5,990Ks | 2GB | 2.92 |
30日 | Send SMS <smart1gb> to <500> または、Dial <*4011#> |
9,990Ks | 4GB | 2.44 |
30日 | Send SMS <smart2gb> to <500> または、Dial <*4012#> |
18,990Ks | 10GB | 1.85 |
30日 | Send SMS <smart5gb> to <500> または、Dial <*4015#> |
料金 | データ量 | MB | 有効 | 有効化 |
---|---|---|---|---|
399Ks | 150MB | 2.66 |
1日 | Send SMS ‘75MB’ to <5077> または、Dial <*5077#> |
3,000Ks | 1.1GB | 2.66 |
30日 | Send SMS <550MB> to <2238> または、Dial <*5002#> |
6,850Ks | 2.7GB | 2.48 |
30日 | Send SMS <1.35GB> to <2238> または、Dial <*5003#> |
12,500Ks | 5.0GB | 2.44 |
30日 | Send SMS <2.5GB> to <2238> または、Dial <*5004#> |
27,000Ks | 11.0GB | 2.40 |
30日 | Send SMS <5.5GB> to <2238> または、Dial <*5005#> |
パッケージの確認方法
購入したパッケージが後どのくらい残っているかの確認方法を紹介する。まずは、電話またはSMSを使った確認方法だ。なお、スマホに入っているSIMカードに残っているバランス(使用可能な料金)だけを知りたい場合は、<*124#>をダイヤルする。これは3社共通だ。
MPT
SMSメッセージで<1331>に<BAL>というメッセージを送る。直後に、メインバランス(残っている料金)や購入済みのパッケージの残りデータ量などがメッセージで入ってくる。
Telenor
電話で <*124*1#>をダイヤルすると、インターネットパッケージが残ってれば残りのデータ量が表示される。
Ooredoo
電話で<*124#>をダイヤルすると、SMSメッセージで知らせてくる。パッケージが残っていれば、メインバランス以外にパッケージの残りのデータ量が入っている。
SIMカード設定用スマホアプリ
SIMカードの各種確認・設定ができるスマホアプリを各社用意している。これを利用すると、パッケージやバランス(料金)の確認以外にパッケージの購入、バランストランスファー(料金を他のSIMへ転送)など様々な設定ができるスマホアプリを各社用意している。Ooredooのアプリの場合は、他のスマホやモバイルルーターにSIMカードが入っていても操作が可能だ。
MPT 4 U for Android
MPT 4 U for iOS
MyTelenor for Android
MyTelenor for iOS
My Ooredoo for Android
My Ooredoo for iOS
おすすめは?
ミャンマーでは携帯が普及し始めたばかり。基地局の整備も急ピッチで進んでいるがまだまだ不十分だ。ヤンゴンでも電波が弱いところがけっこうある。ということで、自分がよく使用する場所で電波が強くて安定して接続できるキャリアが第一だ。一般的には、MPTが一番エリアが広いと言われている。
次にスピード。やはり、Ooredooの4Gが一番だ。MPTとTelenorを比較するとMPTのほうがちょっと有利か? 最近スピードチェックもやっているので、別の記事で紹介したい。
その次は安定度。ミャンマーでは普通の通話もよく切れる。データ通信も突然繋がらなくなることがよくある。3社の中では、ちょっと前までMPTが一番安定していたが、ここ1ヶ月ばかり調子が悪くなった。Telenorもいまいち。最近ではOoredooが比較的安定しているようだ。
値段に関しては、現在プロモーション中のTelenorが頭一つ出ている。プロモーションが終わったら3社とも同じような料金になるが、各社別のプロモーションも始まりそうだ。深夜に関してはMPTが圧倒的に安い。特に、OSのアップデートや大きさサイズのファイルをダウンロードするなら、MPTの Night Time Package がおすすめ。
ということで、速度重視ならOoredoo、値段重視ならTelenor、深夜はMPTということになる。ただ、どこの会社も不安定なことが多く突然繋がらなくなったりすることもある。したがって、インターネットを携帯SIMだけに頼る場合はこの3社のSIMカードを持って運用するのが安全だ。私もデータ通信専用に3社のSIMカードをとっかえひっかえしている。
ひとつ注意しなければいけないことがあった。MPTのNight Time Packageでは、1台の機器しか接続できないのだ。たとえば、モバイルルーターにSIMカードを入れた場合、Telenor と Ooredoo は複数のパソコンやスマホでインターネット接続ができるが、MPTのみ1台だけだ。スマホのテザリング機能を使った場合、そのスマホ自体がネットにアクセスするので、一台も外部接続できない。ということは、テザリング機能が使えないのと同じだ。
参考のため、私のインターネット使用状況を紹介したい。通常のインターネットパッケージを月に30〜40GBほど、深夜専用のNight Time Packageを月に10GB前後使っている。料金は合計80,000Ksから100,000Ks程度。日本円に換算すると6,500円から8,000円ほどだ。インターネットの使用量自体、一般の人と比べるとかなりのヘビーユーザーだと思う。普通の人だとパソコンのインターネット接続にも使ってこの半分くらいではないか。しかし、Youtubeなど動画サイトを頻繁に使うと話は全然変わってくる。スマホだけでYoutubeなどの動画もあまり見なければ、月に5GBもあれば十分だと思う。
また、Oredooの4G(LTE)は調子がいい時で15Mbps程度と、そこそこ速いのでメインに使っていたが、スピードが速いせいでデータ使用量も増えてしまった。ということで、現在のところプロモーション料金(10月17日まで)で一番安いTelenorの10GBにしている。それに、データ量の多いダウンロードなどは、できるだけNight Time Packageを使うようにしている。
ミャンマーでは朝起きて夜寝るという健全な生活を送ろうと思っていたが、完全に昼夜逆転してしまった。
(写真・文:後藤 修身)