日本から来た友人に玄米茶をもらった。ひさしぶりに飲む玄米茶はおいしく、ほどなくなくなった。最近のヤンゴンではスーパーで日本茶も売っているが、高いし種類も少ない。となると、余計に玄米茶を飲みたくなる。ならば、自分で作ろう。
日本でスーパーなどで売っている玄米茶は玄米はあまり使ってないらしい。たしかに、伊藤園の玄米茶の原料を見ても、「米」と書いているが「玄米」とは書いてない。じゃあ、玄米茶ではないではないかと思うが、おいしいからいいことにしよう。ということで、自分で作る玄米茶も、米を使ったプチ玄米茶にする。
それから試行錯誤を続けて約半年、やっと安定した玄米茶ができるようになった。
材料
- 米(シャン米でも、ポーサンムエでも何でもOK)2.5合
炒り米の作り方
- 米を洗う
- 水につけたまま45分〜2時間待つ(シャン米、日本米は1時間以内。その他ミャンマー米は2時間でもOK)
- ザルに上げる
- フライパンにてきつね色になるまで15分〜20分程度炒る(中弱火)
粘り気のあるシャン米はあまり水に漬けすぎると炒る時にダマになって炒りにくい。水につけ置くのは1時間以内にしたほうがいい。ポーサンムエなどの粘り気の少ない米は2時間程度漬けてもでもだいじょうぶだ。
こうしてできた炒り米は重宝する。熱いお茶の中にスプーン1杯入れると普通のミャンマー茶がミャンマー玄米茶に早変わり。飲み干した後に残ったふやけた炒り米もそのまま食べられる。また、冷やしもいい。1.5リットルくらいのお湯に炒り米は小さじ6杯くらい。茶こしでお茶と炒り米を濾したあとは冷やすだけだ。これは毎晩作っている。暑いミャンマーにはぴったりの飲み物になる。
ミャンマー茶は独特なひなびた風味がある。炒り米が入ると焼いた米の香ばしさがプラスされ、さわやかな味になる。こうして作る冷やし玄米茶はミャンマー人にも好評だ。
また、小腹がすいた時にこれをポリポリできる。塩気のないせんべい、あられのようなものだが、かなりいける。米ツブがしっかりしているので砕けるときの音がガリガリと頭に響く。これは眠気覚ましにもなる。
ところで、日本語の茶という言葉は中国から来ている。中国の広東では「チャー」と呼ばれ、福建や台湾にかけては「テー」と呼ばれている。日本も含め多くの国の言語で茶という言葉はこのふたつの発音が元になっている。英語のティーはテーが語源だ。ミャンマー周辺では、タイ語がチャー、ベトナム語もチャー、インドネシア語はテ、ヒンディー語はチャイ、チベットはチャーだ。しかし、ミャンマーではラペッと言う。不思議だ。中国から世界へ茶が広まる前からミャンマーでは独自の茶が普及していたのだろうか。
ミャンマーの茶の故郷と言われているのはシャン州北部のナムサンのあたり。パラウン人たちが昔から住む。パラウン語では茶のことをミャムと言うらしい。シャン語ではネインで、両方とも喉仏という意味があるという。ますます興味深い。茶葉を発酵させたラペソーという茶を食べるものミャンマー独特だ。ミャンマーには中国とは別系統の古代の茶の文化が残っているのではと、ミャンマー玄米茶を飲みながら想像をふくらませた。