ミャンマーの携帯電話事情2~MPT, Telenor, Ooredoo どのSIMカードがいい?(2015年7月)

2014年、いきなりモバイル戦国時代に突入したミャンマー。今では移動体通信事業に参入している企業が3社あり、3社とも1,500チャットでSIMカードを売っている。今回はそれぞれのSIMカードの比較をしてみる。

MPT エムピーティー 2014年まで電話事業を独占していた国営企業。2014年7月から日本のKDDIと提携。
Telenor テレノール 2014年9月よりサービスを開始したノルウェーの企業。
Ooredoo オーレドゥー 2014年8月よりサービスを開始したカタールの企業。

3社というと日本と同じなので、日本の携帯キャリアに無理やり当てはめてみた。ずっと国営で独占企業でやってきて通信エリアも広いMPTはNTTドコモ。現在2番手で比較的イメージのいいTelenorはAU。中東カタールの企業ということで一部アンチユーザーがいる(ミャンマーではイスラムに対する反感が強い)がデータ通信に力を入れているOoredooはソフトバンクだ。

3社のSIMカードが勢揃い

電話料金の比較

まず、電話料金を比較してみる。

  電話料金(1分) SMS(1メッセージ)
MPT (Base) 50Ks 注1 25Ks
MPT (Swe Thandar) 注2  35Ks 23Ks
2015/7/8より
15Ks
MPT (Voice Package) 注3 (25Ks)
 
Telenor 25Ks 15Ks
Ooredoo 25Ks 15Ks
Ooredoo (RED Offer) 注3 20Ks
2015/7/10より
 

注1)23:00~7:00の間、MPTユーザーへの電話は25Ks/min
注2)Swe Thandar: 1332へ SMSのメッセージ "SWE" を送信すると、それ以降全ての電話は35Ks23Ksになる。また、3つの電話番号に限り登録すると25Ks/minになる。
注3)Voice Package:1332へ SMSのメッセージ "480MIN" を送信すると、12,000 Ks分がVoice Packageに充当される。30日間有効で480min利用可能。25Ks/min の計算になる。 2015/7/8 このサービスはなくなった。

注4)RED Offer:555へメッセージ "RED" を送信する。ただし、500Ksの料金がかかる。30日間有効。

MPTの電話料金が複雑なのは、日本の携帯電話料金に似ている。それに、他社と比較すると電話料金が高い。それでもMPTが人気があるのはドコモと似た要因がある。*2015/7/8より23Ks/min になり、通話料金が3社の中で一番安くなった。

電話の通話エリアと品質

手元にきちんとした統計があるわけではないが、私自身の経験と周囲の人たちの意見で通話エリアと通話品質をまとめてみた。

  通話エリア 通話品質
MPT
Telenor
Ooredoo

ヤンゴン市内に限定すれば、MPTはほぼどこでも通話可能だが、Telenor や Ooredoo では電波が届かない地域がときどきある。通話エリアに関しては、やはりミャンマーのドコモであるMPTが強い。Telenor と Ooredoo はサービス開始からまだ1年もたってないので仕方がないだろう。Telenor も Ooredoo も徐々によくなっている実感はあるので、これからを期待である。そういえば、MPTの独壇場だった地方でも、最近はTelenorやOoredooの電波が入るようになってきたようだ。

ミャンマーの携帯の通話品質はあまりよくない。音が割れたり、途中でブチッと切れたり、何度も電話をかけないとかからなかったりと、けっこう苦労する。それでも、MPTは Telenor や Ooredoo と比較するとまだまともだ。私も大事な電話をするときは必ずMPTを使う。最近はTelenor や Ooredoo も以前よりは通話音質も良くなってきた。

ということで、料金はちょっと高いが電話としてはMPTが安心できる。特に、MPTの電波しか入らない地域はMPT一択だ。

データ通信(インターネット)の料金

データ通信の料金はけっこう複雑だ。まず、各社毎に簡単にまとめてみた。

 サービス名 2G/3G  料金
MPT (Base) 2G 2Ks/min
MPT (Swe Thandar) 注1 3G 7.5Ks/MB
MPT (Internet Package) 3G 5~7Ks/MB
Telenor (My Internet) 2G 5Ks/MB
Telenor (Smart Internet) 注2 3G 6Ks/MB
Telenor (month Pack) 3G 4.96~5.28Ks/MB
Ooredoo (PhalanPhalan) 注3 3G 6Ks/MB
Ooredoo (Internet Pack) 3G 2.8~3.9Ks/MB

注1)電話のSwe Thandar と同一。電話でSwe Thandar を行ったなら再度行う必要はない。
注2)SMSで 500 へメッセージ "smart" を送信すると、それ以降全ての通話は35Ks/minになる。
注3)*7777# とダイアルすると6Ks/MBになる。

MPTとTelenorには2Gがまだ残っているのだが、これらは今ではほとんど使い物にならない。私自身が3Gのスピードに慣れたということもあるが、以前から遅かった2Gが今ではより遅くなり接続すら難しい場合が多い。それに、以前は料金的に2Gが安かったが、今では料金の優位性もない。MPTとTelenor のSIMでは何も設定をしないと2Gのままだ。すぐにでも3Gの設定を行ったほうがいい。

料金はOoredoo が圧倒的に安い。以前はTelenor のほうが安かったのだがいつの間にか逆転してしまった。

データ通信のエリアとスピード

次はデータ通信のエリアとスピードを比較してみる。通信スピードについては私の主観なので、この比較を絶対視しないでほしい。あくまでも私が住んでいる地域(国立劇場近く)で2015年6月での傾向だ。なお、私の地域ではスマホやモバイルルーターが示す電波強度は3社とも最強になっている。

  通話エリア 通信スピード
MPT
Telenor
Ooredoo

私は1ヶ月ほど前までデータ通信は Telenor の2Gを使用していた。500kbpsほどのスピードであまり早くないが、料金も安く(4Ks/MB)それなりに満足していた。ところが5月ぐらいから遅くなり、そしてなかなかつながらないということでついにモバイルルーターを購入し、ついでにデータ通信専用にSIMを3種類とも買い足した。

現状のOoredooは、深夜だとダウロードが5~6Mbps、アプロードが1Mbps程度が多い。日中だと遅くなり、アップロードに2Mbps、ダウンロードが0.5Mbps程度が多い。MPTはスピードはOoredooと同程度だ。Telenorは以前はそこそこのスピードがあったが、最近はスピードが遅くなったようだ。

ちなみに、今日(2015/7/2)10:30前後の通信スピードだ。場所はダウンタウン近くにある国立劇場(National Theater)横の私の自宅でモバイルルーターを使用。測定アプリはSpeedSpotというAndroid用アプリで、各SIMカードで3回連続測定し、一番良かった数値を抜き出した。

  Ping (ms) Download (Mbps) Upload (Mbps)
MPT 185 1.42 1.07
Telenor 377 1.98 0.92
Ooredoo 54 3.68 1.13

Ping というのは自分からサーバーじアクセスして反応が返ってくるスピードで、数字が小さいほうがいい。Download と Upload は数値が大きいほうがいい。やはり Ooredoo が一番速い。といっても、時間と場所で順位が逆転することもある。

SpeedSpotで通信スピードを測定

データ通信は Ooredoo がおすすめ。しかし・・・

データ通信の料金は、Internet Pack を使うとOoredooが3Ks/min と圧倒的に安い。それで、最近はを29,900チャット(10GB)の Internet Pack を利用している。私の場合は仕事の関係でネットの使用量が多いし、パソコンも全てこの携帯のデータ通信でネットを使用しているので月に20GB程度使うが、一般の人だと10GBまたは5BGあれば1ヶ月は余裕でもつのではないか。

ということで、データ通信についてはOoredooが最もコストパフォーマンスが高い。しかし、私はときどきMPTやTelenorのSIMを使うことがある。場所によっては Ooredoo の電波が弱いこともあるし、電波が強くてもなぜか Ooredoo が接続しにくい場合もある。しかし、もっと大きな理由が別にある。なぜかこの Enjoy Yangon や他の特定のサイトの表示スピードが極端に遅くなるのだ。表示するまで20秒くらいかかってしまう。原因は現在調査中だ。

ということで、このサイトを更新している今はTelenorのSIMを使っている。やはり、ミャンマーではSIMカードは3種類とも持っていたほうがいいようだ。

*2015/7/17 加筆訂正

(写真・文:後藤 修身)