ミャンマーの野菜を塩麹で漬物にしてみた

先日、日本から来た友人に麹を持ってきてもらった。宝暦12年創業、大分伊達屋の麹だ。その麹にミャンマーの塩とミャンマーのミネラルウォーターを入れて待つこと1週間。塩麹ができた。この塩麹、漬物も簡単にできるということで、ミャンマーの野菜をいくつか漬けてみた。

自家製塩麹 

まず、きゅうり。ミャンマーのきゅうりは日本のものより太くて外側のイボイボがない。水っぽく味はあまりない。中心部は未成熟の種もあり瓜そのものという雰囲気だ。日本に初めて行ったミャンマー人は、日本のきゅうりがものすごく美味しかったと言っていた。というのが、ミャンマーのきゅうりだ。

イボイボなし小太りのミャンマーきゅうり

次は小ナス。普通のナスもあるのだが、直径2cmほどの小さなナスもけっこう売っている。ミャンマーでは生でンガピッ(魚醤)につけて食べることが多い。今回は生のものと軽く茹でた(1分ほど)のものを漬けることにした。

かわいらしい小ナス

次は日本にはない野菜、ジューミッ。シャン州のほうの特産でヤンゴンでも普通に売っている。白い根っこの部分を食べるもので、大根を辛くしたような風味だ。薬味としてよく使われている。

左からグェーディー, ジューミッ, ブーディー, オクラ

次も日本にはないグェーティー。グェーティーは直径2cmほど、果肉は固く、かじるとかなり酸っぱい。ミャンマーではニンニクや玉ねぎと一緒に潰して食べる。

これはヒョウタンだと言われているブーディー。本当に日本のヒョウタンとミャンマーのブーディーが同一なのかわからないがミャンマーでは一般的な野菜で、よくブーディージョーという名の天ぷらとして食べている。

今度は日本人にも馴染みが深いオクラ。ミャンマーの野菜は日本と比べると小さいものが多いのだが、これば全く逆だ。ミャンマー人はレディーフィンガーじゃなくジャイアントフィンガーだと冗談を言う。

最後に大根。日本と比べるとえらく小さい。オクラと大根がほぼ同じ大きさだ。大根はスープの中などによく入っている。日本のものより硬くて繊維質をかなり感じる。原種に近い大根なのかも。

大根が小さいのか、オクラが大きいのか

という野菜をジップロック(メーカーはReynoldsoという名前だが)に入れて塩麹をふりかけた。冷蔵庫に入れて待つこと2日ほど。ついに出来上がった。

袋に入れると後は待つだけ

きゅうりは見た目どおり水っぽく、袋の中では水分がだいぶ出ていた。でも、これはこれでさっぱりしていていいかも。

だいぶしおれたミャンマーきゅうり

次は小ナス。小ナスは2種類作った。ひとつはと生そのもので、もうひとつは1分ほど茹でたもの。生はナスの密度が高いためかあまり塩麹が浸透してなく、生っぽい。茹でたほうはあまり食欲のわかない色になったが、味としてはこちらのほうがおいしい。

生の小ナスはちょっと固い 
小ナスは茹でたほうがおいしい

次に、日本にはないジューミッ。単品でかなり味が強いジューミッなので、塩麹に漬けても生のものとあまり変わらない。漬物としてはあまりうまくない。

塩麹に漬けても着けなくてもあまり変わらない味

次も日本にはないグェーディー。かなり酸っぱい。これも元の味が強すぎて生そのものをかじっている感じだ。これも失格。

かなり酸っぱいグェーディー

次も日本では食べないブーディー。これはなかなかいける。食感はツルッとしていて味はさっぱり、スイカの皮の漬物みたいだ。元々薄味なので塩麹がいい味を出しているのがわかる。

ブーディーは漬物もいける

今度は日本人にも馴染みがあるオクラ。30秒ほど茹でて塩麹に漬けた。これはうまい。ミャンマーのオクラの風味と日本の塩麹のうまみが出会っていい味を出している。

今回一番うまかったオクラ

 最後に大根。これもなかなかいける。大根自体スジっぽいしちょっと固いが日本の大根よりも味がワイルドで大根の存在感を感じる。そこに塩麹のマイルドな塩味がピッタリ合っている感じだ。

野性的な大根の味

ということで、今回のミャンマー漬物の順位は以下のようになった。

1. オクラ
2. 大根
3. ブーディー
4. 茹でた小ナス
5. きゅうり
番外 生小ナス, ジューミッ, グェーディー

塩麹はミャンマーでも漬物に十分使える。漬物以外にも塩の代わりに塩麹を使うと味にマイルドさと深みが出てくる。塩麹を使ったペペロンチーノは最高だ。だが、最近麹が残り少なくなってきた。今度は麹を増やすことができる友麹をミャンマーの米で挑戦してみよう。

(写真・文:後藤 修身)

Facebookコメント
0 awesome comments!