ミャンマーの仕事

街角で見かけるいろいろな仕事人に突撃インタビュー。ミャンマー式、商いの神髄とは。

今も変わらぬ餃子の味、磨き続けるおもてなし〜 広東出身「フレンドシップ」オーナー

昔と変わらぬ美味しい中華と、心地よいサービスを提供してくれるレストラン「フレンドシップ」。ゴルフ帰りにここに立ち寄り、手作り餃子をつまみながら昼間からビールで乾杯!というのが、ヤンゴンに滞在する企業戦士の定番コースだ。経営を引き継いで約10年。在住外国人には馴染みの飲食店ではあるが、意外に知られていない女性オーナー・Ms. May Kuangの素顔とは?

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中国の広東出身で、ミャンマーには夫の仕事の都合で2000年にやってきました。最初に来た時は、その前に滞在していたバンコクとはかなり異なり、安全で純粋な人が多い国だという印象を受けました。当時のヤンゴンは今のように発展しておらず、古い車ばかりが走っていましたが、以来、徐々に国が発展しはじめ、毎年のように街の様子は変わっています。数年前にミャンマーが外国に対してオープンになってからは、たくさんの外国人がやって来るようになり、お店のお客さんも増えています。

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このレストランを始めたのは2004年です。私たちとは関係はない中国の方が経営していたレストランを私たちが引き継いだんです。それ以前の私たちはというと、実はそこの餃子や麺料理が好きで通っていたお客さんの一部だったんですよ。引き継いだ直後は、前のオーナーが作った餃子と麺のストックがたくさんありましたが、完売した後は、自分たちで販売できるだけ作って、ストック、販売を繰り返し、今もそのふたつの味を受け継いでいます。それ以外の部分で、例えばメニューにほかの料理を足すなど、自分たちなりに改善を加えて今があります。

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飲食関係のビジネスを行うのはこの店が初めてでしたが、昔からホスピタリティ関連の仕事が好きで、1年だけですが中国のホテルで働いていたことがあります。来緬時は国がまだまだ発展の途上だったため、ビジネスのチャンスが拡大する余地も十分にありました。その頃は、外国からの経済サンクションにより多くの工場が閉鎖に追いやられてはいたものの、物価は安く、ビジネスを行うのも難しくないように思えましたね。

しかし、引き継いでから数年のうちにどんどん地価や物価が上がり、店の利益はどんどん減っていきました。それに加え、雇っているスタッフにはいつまでたっても判断力が付かず…。店内をまとめるのも大変で、運営していくのに多大なエネルギーを費やしました。店の状況全てが崩壊していたと言っても大げさではないかもしれません。スタッフは皆、給与の値上げばかりを要求するだけで良いサービスを提供しようと努力するわけでもない。そしてスタッフなどを変え続けた結果、サービスの質は悪化。かつての中国のようでした。

腕は2本しかないし、考えるための頭はひとつしかない。それに助けてくれる人もいない。果たしてレストランを続けていけるのか自信もなくなりつつありましたが、すでに経店を始めてある程度経ってしまっていましたし、なんとか店を続けようと必死でした。実は20年ほど前に日本の横浜に移り住んだ叔母がいるのですが、彼女を訪ねた際、日本人の仕事に対する姿勢を目の当たりにし、大変感心したことがあります。彼らは仕事とまっすぐに向き合っていて、そして強い意志を持っています。店をあきらめなかったのには、それをミャンマーで実践していきたいという思いもありました。

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そんな思いがあるからこそ、スタッフが常に正しい姿勢を保ってくれるよう、私たちがいない間に怠けたり、他のことをしたりしないように厳しく接するようにしています。それは決して楽なことではなく、自分自身がどんなに疲れていても毅然とした態度を保ち、店を良い状態に保ち続けなくてはなりません。清潔さとフレッシュさを保つべく、特にキッチンには重きを置いています。お客様はここに来て、食事をすることに対しお金を払っていくのですから、お金をいただいている私たちは、店の仕事をおろそかにすることはできません。いつも最善を尽くしてサービスを提供しています。

とはいえ、スタッフにも同じように責任を感じ、仕事に取り組んでもらうのは、昔から続く難しい課題の一つです。多大なエネルギーを費やして教育したと思ったら、こちらの指導に対する理解が得られなかったり、これ以上ここでは働けないと辞められてしまう。時には、スタッフのパーソナルな生活をコントロールしないといけないこともあります。例えばお酒が好きなスタッフがお酒を飲んで仕事に来たとしたら、やはり仕事に支障をきたしますし、飲むのを控えて欲しいと言わざるを得ません。寝るのが遅いスタッフには、やはり仕事に差し支えるので早く寝るように言わないといけません。しかし彼らには、生活までコントロールしようとするなんて、となかなか理解してもらえません。

お店をやっていくのは容易ではありませんが、ミャンマーに対しては、たくさんの愛情を感じています。もう15年以上住んでいますからね。第二の故郷のようなものです。いつかもっと大きなレストランをどこかに開きたいと思っています。でも、私たちは外国人ですし、現地の方の手助けなしには困難です。周りの人々と一歩踏み込んだ関係を築くのも、レストランに定着しもっと深くかかわってくれるスタッフを見つけるのもなかなか難しいですね。

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お客様が呼んでいらっしゃるので、そろそろ行きますね。ぜひまた食べにいらしてくださいね。

(写真:後藤修身、文:菊池美弥)

店舗情報:
No.102, Nawaday Theatre, Corner of Kaba Aye Pagoda Road & Oak Pone Seik Road, Mayaungone Township, Yangon
電話番号:09-49322498 / 01-664741 (Ext.106)
営業時間:9:00~14:00 / 16:00~22:30 無休

中華レストラン Friend Ship Restaurant(フレンドシップ)