ヤンゴンのタクシー、UBER(ウーバー)とGRAB(グラブ)の闘い

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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、2018年のブログ第一弾はスマホを利用した配車アプリのUberとGrabの話題から。年末年始に旅行でミャンマーに来ている人にもちょっとは役に立つかもしれない。私は最近、タクシーを使うときはUberかGrabばかり使っている。ミャンマーのタクシーには料金メーターがなくて交渉制で云々・・・ と言っていたのがつい半年前だった。

ヤンゴンでの配車アプリはアメリカの「ライドシェア」とは違い、利用できるのはタクシーだけだ。スマホアプリで乗車場所と行き先を入力するとタクシーが乗車場所までやってくる。料金は自動で計算された料金となる。事前のクレジットカード登録でキャッシュレスも可能だ。

Uber派になったりGrab派になったり

ヤンゴンで Uber(ウーバー)タクシーに乗ってみた」というブログ記事を書いたのは去年の6月、それからしばらくUberばかり使っていた。その当時、Uberは一般の料金(交渉で決まる一般的なタクシー料金相場)よりも3割以上高かったが、安くする方法があった。Uberから毎週のようにスマホにプロモーションコード送って来たのだ。このプロモーションコードを使うと一般料金と同等か若干安くなる。ということで、タクシーを利用するときは毎回Uberを使っていた。

ところが、8月くらいからプロモーションコードがあまり来なくなった。ちょうどその頃に起こったのが「ジグザグ事件」だ。ある日の深夜に使ったUberタクシー、6,000〜7,000チャット程度の料金のはずが、何と12,000チャットも請求されていたのだ。履歴にあった走行記録のルートを見ると、本来真っ直ぐのラインが細かく震えるようにジグザグラインになっているではないか。これが原因で距離が増えてしまったわけだ。

明らかにおかしいのでUberにメッセージで問合せをしてみると、謝罪とともに料金が半額戻ってきた。運転手が使っているスマホのGPS精度の問題だったのか、運転手がスマホに手を加えて故意にやったのか真実は謎のままだった。

 

いろいろと問題が出てきたUber、それならばと東南アジアでは有名なマレーシア生まれのGrab(現本社はシンガポール)を試してみることにした。実は以前、Uberと共にGrabもインストールしたのだが、なぜかGrabアプリが正常に動作しなかった。今度はスマホから余計なアプリを削除し最新Grabアプリをインストールするとちゃんと動いた。

その頃、Uberは走行距離と乗車時間によって金額が決まっていたので、目的地に着くまで料金は確定しなかった。しかし、Grabは配車を依頼した時点で料金が決まる固定料金だった。それに、Grabの料金は一般タクシーの相場と同じか若干高いくらいだった。ということで、Uber派からGrab派にあっさりと乗り換えてしまった。

それからしばらくはGrabを快適に使っていた。ところがある日の夕方、Grabを利用しようと思いスマホを見て驚いた。料金が今までの倍ぐらいになっていたのだ。「道が混んでいるので割増料金が何たら・・・」というメッセージも表示されていた。たしかに、ヤンゴンの朝と夕方のラッシュアワー時の混雑ぶりは半端じゃない。それでも固定料金でやってきていたGrabは大したものだと思っていた。でも、突然の倍額は上げすぎだ。そこでUberを見てみた。何と以前の安かったGrabと同程度だ。それに、UberもGrabと同じように乗る前に料金が決まる固定料金に変わっていた。Grab派に乗り換えてた私は今度もあっさっりとUber派に戻ってしまった。

この突然のGrab料金の値上げ、それから2週間程度で元に戻った。客がUberに流れたせいだろう。今ではどちらの料金もほぼ同程度だが、時々高くなったりするので要注意だ。アプリで料金がすぐに比較できるは利用者にとって便利だが、UberもGrabも料金設定が大変だと思う。

運転手も楽じゃない

UberとGrab、運転手にも事情を聞いてみた。

「UberとGrabにはコミッションをいくら払ってるの?」
「Uberは25%、Grabは15%だよ」
「えー、それじゃ普通に流しをしたほうがいいじゃない」
「いや、ボーナスを入れるとUber(Grab)のほうがちょっといいかな」

基準を超える売上があったり、空港などの特定の場所や、ラッシュアワー時などの利用にはボーナスが出るのだという。コミッションを払ってもボーナスを計算に入れると流しよりも収入は上がるらしい。ただ、最近はUberやGrabと契約するドライバーも増えてきているので、以前よりは楽じゃないという。また、UberとGrab の両方とも登録している車が多い。自分にとって儲けの多いほうを選ぶのだという。実は Oway と Hello Cabs というミャンマー独自の配車アプリもあるのだが、両方ともまだまだ客が少ないらしい。

今のところ、ヤンゴンではGrabタクシーが優勢だ。先々週、早朝の長距離バスターミナルでUberタクシーを使おうとしたが1台もいなかった。Grabタクシーはターミナル内に3〜4台いたので結局Grabタクシーを頼むことになった。

ヤンゴンもキャッシュレス時代?

Uber も Grab も料金は現金で払うこともできるし、クレジットカード払いでも可能だ。アプリにクレジットカードを登録しておけば、キャッシュレスでタクシーに乗れることになる。ただ、ミャンマーではクレジットカードの普及率が低いので実際にクレジットカードを使う客は非常に少ないと運転手が言っていた。運転手もクレジットカード払いの経験が少ないのでトラブルが起きることもある。

先日、ミャンマー人の友人のために私のスマホで配車を頼んだ。しかし、運転手も友人もカード支払いになっているとは知らず、降車時に現金で料金を払ってしまった。その後で間違いに気がついた運転手は私のスマホに電話してきた。
「後でお金を払いに行きます」
170円程度の金額だったので、運転手にはわざわざ持ってこなくてもだいじょうぶだと返事をした。

ところで、ミャンマーでも CB Bank や AYA Bank で口座を作ると JCBのデビットカードをその場で発行してくれるようになった。このJCBデビットカードをUberに登録することができる。残念ながらGrabでJCBカードの登録はできない。VISAかMasterだけだ。

ちょっと困ったGrabアプリ

UberもGrabも基本的なアプリの使い方は同じ。乗車場所と行き先を指定するだけだ。ただ、Grabアプリには大きな欠点がある。正確な場所が指定できないのだ。

両アプリとも名前で場所を指定できない場合、地図上で位置をタップして場所を決定する。Uberの場合はタップした位置がそのまま指定位置になるので問題ないが、Grabの場合はタップした位置からずれるのがほとんどだ。少しのずれならそこまで歩いて行けばいいが、大きく隣りの通りにずれることもある。思い通りの位置に設定できないのはイライラする。Uberは任意の場所に自由に指定できるけど、Grabはデータベースに登録されている場所しか指定できないようだ。

そこで一番問題になるのが乗車位置だ。正確な位置が表示されないので乗客がどこにいるか運転手も迷う。そういう理由もあって、Grabでは配車を頼むと必ず運転手から電話がかかってくる。
「どこで待ってますか?」
説明しやすい場所だといいが、分かりにくい場所だと説明するのも一苦労だ。私もこれで一度乗れなかったことがある。Uberでも運転手から電話がかかってくることが多いが、乗車場所はアプリに指定した通りなので迷うことは少ない。

一番困るのはミャンマー語を話せない外国人だ。そのあたりのことを運転手に聞いてみると、配車を頼んできた人の名前が外国人名だと配車を受けるのを躊躇するという。私の経験でも、近くにGrabタクシーが何台かいるのにどの運転手も配車をOKしてこないことが時々ある。私のGrab登録名が日本人の名前だから運転手に敬遠されてしまったのだろう。Grabアプリ、位置指定の問題を早く何とかしてほしい。

変わりゆくヤンゴンのタクシー

以前のヤンゴンのタクシーは渋滞もなくのんびりしていた。また、英語ペラペラのインテリ運転手も多く、みな紳士的だった。値段交渉もちょっとした楽しみのひとつだった。ところが、ここ3〜4年の民主化と経済発展でタクシーも大きく変わった。平気で2〜3倍の料金をふっかけたり、態度が横柄だったり、道を全然知らなかったりという運転手が増えてきた。特に危ないのが深夜だ。明らかに飲酒運転だったり、100キロに近いスピードでとばす爆走運転手もけっこういる。また、私は遭遇したことがないがタクシー運転手が強盗に早変わりという事件も話に聞く。この深夜タクシー、女性は特に注意しなければならない。

そういった状況で出てきたのがUberやGrabの配車サービスだ。この両社とドライバーとして契約するためには審査がある。車両審査もあるのでボロボロの車は契約できない。エアコンくらいはちゃんと使えるような車でないと審査に通らない。また、運転手と客の相互評価制度がある。乗車した後にお互いに星をつけるのだ。最高は星5つ。この星の数はアプリ上で一目瞭然なので、客も運転手もあまり変なことはできない。

一般のミャンマー人もUberやGrabをかなり使うようになったようだ。友人曰く、一度アプリを使うと流しのタクシーには戻れなくなるそうだ。運転手側も同じだ。以前Uberの運転手に聞いたときにはUberの客は1日に数名程度で流しの客のほうがずっと多いと言っていた。しかし最近はどの運転手に聞いても配車アプリを使う客のほうが多いという。流しはやめて配車アプリ一本でやっているという運転手もけっこういる。料金メーターもカーナビもなかったヤンゴンのタクシーが一気にモバイルIT化してきた。

 そうそう、大切なことをひとつ忘れていた。タクシー内で忘れ物をしても乗車履歴があるから運転手にすぐに連絡できるのだ。忘れ物キングの異名をとる私は大いに助かる。今度は「タクシーの中に忘れ物したが見つかった」というブログを書くかもしれない。

ジャパンミャンマープエドー2018、森崎ウィン、AKB48メンバーが出演
邦楽の横笛奏者、西川浩平さんによるヤンゴンでの演奏会
 

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ゲスト
2018年08月15日(水)

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